ダルいズム。

□君の隣に
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 今朝の話になるのだが、私は電車の座席に座れるように普段より早く家を出た。
寒い風が吹く中、今し方列車が出たばかりらしくがらんとしたホームで時間を待つ。
五分ほどそうして待っていた。
次第に人も増え、騒がしくなる。
私と同じ年齢であろう、制服を身に纏った少女達は昨日起こった出来事を報告しあっていた。
少女のグループの中になかなかメールを返さない人がいるらしい。
彼女はその人を「常識も分からない気違いである」とした。
そう言いながら、彼女の団体は私の前に割り込んできたのだった。
 メールを返さないだけで差別用語を使う彼女の神経にも呆れたが、常識が分からないと他人を貶しながら自分も堂々と規則無視したのだ。
常識の分からない人間は差別用語を使用されるべき人間であると認め、自分も常識を無視した。
厚顔無恥とはこの事である。
 
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