ダルいズム。

□林檎の日
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「林檎食い過ぎると気分悪くなるよなぁ……」

 その視線からするりと逃れる。
旗色が悪くなるといつもこうだ。
佐々岩が絡め捕ろうとしても、いつも逃げられてしまう。

「一人で食べた報いですよ」

 笑って、眼鏡をかけ直した。

「コーヒーが飲みてぇ」
「ここにはないって言ってるでしょォ?欲しいなら持ってきたらいいじゃァないですかィ」

 林檎を向いたナイフと空になった皿を洗いながら言う。
風祭は新聞を眺めながら肩をすくめた。

「サイフォン持ち込むか……」
「校内で喫茶店始める気ですかィ」
「学食のコーヒーまずいよなあ」

 がさり。
新聞をめくる。
 今日も今日とて、二人の会話が噛み合う気配はない。
 
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