ダルいズム。
□眼帯さんととある女生徒
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この少女の前に立つ自分は、きっと妙な顔をしているに違いない。
挑発的な言葉に挑発的な言葉で応えた。
しかしきっと、泣きそうな顔をしている。
「……全部、です」
少しかすれた声で、少女は応えた。
唇の左がつりあがる。
「若い奴は欲張りだな。だが残念ながら、俺は誰のモノでもねえよ」
くっく、と笑って歩き出す。
すれ違いざま、プリントを彼女の胸に押し付けた。
「俺は、俺だけのモンだ」
ちらりと振り返ると、立ち尽くした今宮あかねが見える。
二年九組二番、今宮あかね。
彼女の情報に付け足す事にした。
目と口と、胸が大きい。