ダルいズム。

□僕のいくところ、君のいるところ。
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僕が探しているその場所に、きみがいないから。
だから僕はなきたくなるんだ。

くらやみにいても、きみの居場所ならわかるのに。
それなのにきみはそのくらやみにはいない。

せいぜい、夢の中でとおいきみの背中を見つけておいかける。
僕には、そんなことしかできないんだ。

指先がきみのかみのさきに触れそうになる。
でもそれはするりと僕の指先を透り抜ける。

きみは静かにふりむいて、僕を見つめる。


透明な、笑顔で。


淡い光が僕の夢。
夢の中で、僕はひとり。


きみが、いないから。
きみが、いないから。


僕は、はやくきみを見つけないとと、急く。
でも急けば急く程きみの背中はとおくなる。

はやくきみを見つけてだきしめてあげないとと、急く。
でも急けば急く程きみの背中はとおくなる。

きみをだきしめたい。
くらい夜でもこわくないように。

ひとりじゃないと教えてあげたい。
さむい夜でもさみしくないように。

どうか、わらっていて。
きみの人生は、幸せに満ちていますよう。

どうか、わらわないで。
きみの悲しみは、僕にこぼしてくれますよう。

たとえきみが僕のことをすきじゃなくても。
僕はきみがすき。
僕はきみがだいすき。
僕はきみをあいしてる。


だから。


僕はきみをまもるよ。
たとえきみが僕のことをすきじゃなくても。
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