ダルいズム。
□青い春2
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「痛!」
頭を強く打って、声を上げる。
二段ベッドの下の段。
本当に良かったと胸をなで下ろす。
かと言え上に住人がいる訳ではない。
昔は兄と二人で使っていたが、今ではただの物置となっている。
目覚ましがけたたましく鳴り響いていて、もう朝なのかと痛む頭で考える。
一ヶ月も前の事になるのにまだ夢で見る。
自分もつくづく未練がましい男だ。
枕元にあるダーツの矢を一つ手に取るとドアの隣にかけてある的に向かって投げつける。
見事中心に命中し、一つ頷くと目覚ましを止め時間を確認する。
「‥‥遅刻!」
パジャマがわりのジャージを脱ぎ捨て
ズボンをはきTシャツを着、
学校指定のワイシャツを羽織る。
ボタンもそこそこにネクタイを首に引っかけてブレザーを羽織る。
ばたばたと騒音をたてながら下の階に駆け下りた。
「おはよー」
父が呑気そうにみそ汁を啜っていた。
母はフランス人だが
得意料理は日本食ばかりである。
そしてフランス語と関西弁のバイリンガルだ。