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□人生で一番嬉しいのです
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デンジは学生時代、女子生徒に人気でアイドル的存在だった。かくいう私も、そんなデンジのことが好きだったし、だからって告白する勇気などなかった。それに、生徒達の間でちょっとした噂が流れていたのもあって、私は遠くから見ているだけしかできなかったのだ。
その噂とは、デンジは同級生のミカンちゃんのことが好きで、ミカンちゃんもデンジのことが好きだということだった。きっと陰で付き合っている、という噂まであった。ミカンちゃんは校内のアイドルだった。誰とでも分け隔てなく接し、優しくて頭のいい可愛い子。女子生徒達も彼女に憧れていた。そして私も。
「デンジって、ミカンちゃんと付き合ってたんじゃ・・・?」
「は?んなわけねーだろ。オレが好きだったのは、お前だけだったんだから」
「え、でも噂では・・・」
「噂は噂だろ。てかそんな噂が流れてたのかよ」
何だ、両想いだったんだ。それなら告白してくれればよかったのに。というか、私から告白してもよかったのかもしれない。
「ね、デンジ」
「ん?」
「何なら私たち、付き合っちゃおうか」
「は?」
「あ、それとももう彼女いるかな?」
いるよねー、なんて笑いつつ、いたらちょっとショックだなと思っていた。第一デンジはモテるのだ、寄ってくる女の子はたくさんいるだろうし、私たちはもうそれなりに大人だから、恋人がいたっておかしくない。
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