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□人生で一番嬉しいのです
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「・・・彼女なんていない。オレは今でもお前のことが好きだ。けど、アイドルがオレみたいな平凡な人間と付き合ったりなんかしてスキャンダルにでもなったら迷惑じゃねーか?」
今でも私のことが好き、それを聞いただけで嬉しくて、そして首を横に振った。
「迷惑なんかじゃないよ!そのときは私、アイドルやめて女優か芸人にでもなるよ。いや、タレント辞めるわ!それにデンジはシンオウ最強のジムリーダー、逆に私と付き合ったりして迷惑じゃない?」
「芸人って・・・ふっ・・・クク、お前おもしれーこと言うな。まぁ芸人にも向いてっかもな、そんだけおもしれーなら・・・」
「な、何よぅ・・・そんな笑わなくたって・・・」
デンジはひとしきり笑ったあと、急に真面目な顔になって私を見つめた。
「オレは迷惑じゃねぇよ。なぁ、オレと結婚を前提に付き合って、ください」
「・・・は、はい!」
こんなに嬉しいことはない。差し出された右手をギュッと握り返すと、デンジはそれを引いて私を抱きしめた。
一生大切にするから、
だからどうか、これが夢なら覚めないで。
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