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□組織からの独立
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「さっさとしなさい」



暗く、湿気の籠った井戸の奥深くで、私は泣いていた。目の前には、緑色の髪の男性――ランス様は、私の直属の上司である。しかし、私はこの人が嫌いだった。



「なん、で・・・こんなこと、しなきゃいけないん、ですか?」



右手には鋏、左手の下にはピンク色のポケモンの尻尾。今まさに、私はこのポケモンの尻尾を切ろうとしていた。しかし、いくらロケット団員だといっても、やはり心の奥深くにあるであろう良心が拒否をするのだ。

何が悲しくて、こんなポケモンの尻尾を切らなきゃいけないのだ。左手の下のポケモンが、間抜けな顔をしながら、一つ鳴いた。しかしきっとそれは、切らないでと乞うているのだろう。

依然、目の前の上司は早くしろと急き立てる。



「そんなポケモンの尻尾一つ切れなくて、よく私の部下でいられますね」



そんなことを言われたが、しかしそれは私にはどうにもできないことで、誰がどの幹部の下に付くのか、それは最高幹部、アポロ様が決定されるのだ。私は、悪くない。



「あ、の・・・どうして、尻尾を切らなきゃ、いけないん、ですか?」



すると上司は小馬鹿にしたように溜め息を一つ、それから抑揚のない声で話した。



「そんなの決まっているでしょう。金になるからです。それ以外に何の価値もない」



ヤドンの尻尾は珍味だ、なんて、どこのどいつが言ったものか。



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