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□組織からの独立
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「早くしなさい。時間が勿体ない」



しかし私はこのポケモンの尻尾を切るのを躊躇い続けた。いや、切ってなるものか。そんな考えすら浮かぶ。ここで素直にこの上司の言うことをきけば負けだ。



「・・・切れないのであれば、ロケット団を辞めることですね」



とうとう痺れを切らしてランス様は私から離れた。他の下っ端たちの様子を見に行ったのだろう。

私はいつかの復讐をするために、ロケット団に入った。昔、私の目の前で私のポケモンを殺したある男を探し、そして同じ目に遭わせてやるために私はこの犯罪組織に入ったのだ。あれからその男にはまだ巡りあっていない。

やぁん・・・。

手の下のポケモンが鳴いた。私はその子からゆっくりと手を放す。



「この子だって、生きてるんだ・・・」



生きてるポケモンを、何の罪のないポケモンを傷つけるなんて、私にはできない。例え私が、悪の組織ロケット団の一員だとしても。



「・・・違う、もう、ロケット団員なんかじゃない・・・」



ごしごしと涙を袖で拭う。鋏を持ったまま立ち上がり、彼が歩いて行った方を見つめた。



「組織で無闇矢鱈にポケモンや人を傷つけるより、私は一人であの男を探し出し復讐を果たしてやる・・・」



その前にまず、あの男からだ。

ざっと彼が消えた方の闇へ歩き出した。



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