ミニシリーズ
□喫茶店での会話
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コガネシティで一人のピエロが子供たちの前で手品をしていた。子供たちは楽しそうにそれを眺め、私も遠目からそちらを眺めているとピエロと目が合った、気がした。それからまもなく、ピエロは手品を終え、道具を片付け出す。子供たちはもっと見たいとせがんでいたが、ピエロは身振り手振りで子供たちに謝りながら道具を片付け終えると、子供たちも散り散りに走り去っていった。それを見て私もその場を去ろうとした。が。
「あれぇ?帰るの?」
振り返るとさっきのピエロが立っていた。
「・・・何か・・・?」
「あれ、オレ様のこと知らねぇんだったっけ?」
ピエロがマスクを外すと、紫色の髪をした男の顔が現れた。
「・・・あなたは?」
「ありゃ〜、やっぱ知らねぇのか。オレ様は、お嬢ちゃんのこと覚えてるっつか、絶対忘れねぇんだけどな」
男は不気味な笑顔を見せ、私の手首を掴んだ。
「オレ様は元R団の幹部をしていたラムダだ。お嬢ちゃんのことは知ってるぜ。お前がR団を解散させたってことをな」
「・・・R団幹部・・・」
「ちょーっとお茶でもしようや」
ラムダと名乗った男は私の手を引いて街中へ歩いていった。
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