ミニシリーズ
□強さと弱さと
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・・・あぁ、と思い出す。カイリューを連れたマント男とは、ジョウトリーグのチャンピオンのことだろう。彼と会ったことがあるのだろう。彼は見た目よりも強い男だ。
「・・・彼は、強かったでしょう」
「知ってるのか?」
「・・・まぁ・・・」
何せ、同じチャンピオン同士だから。そして彼は私の後任だから。
「・・・今の君では、彼には勝てない。そして、私にも・・・。このままでは、一生私には勝てない。もし強くなりたいなら、自分自身も強くならなければ。いずれ、ポケモンリーグにチャレンジしようと思っているのなら尚更、ね」
彼は唇を噛み締め、両手に作られた拳には力が込められていた。
「・・・まぁ、急ぐことはないでしょう。少しずつ、強くなっていけばいい」
そこまで言うと、自分のポケギアが音を立てた。液晶画面には、”ワタル”という名前が表示されていた。
「・・・はい」
「やぁ、今いい?」
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