表裏共生
□7話 契約
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ぎぃ、と乾いたような音を立ててドアが開く
「わ・・・」
中にはたくさんの能力者らしき人間。
それにカウンターといくつかのベンチ。
公園のようにも見えるそこは、とてもホームとは思えなかった。
「凄いっすね・・・」
「まぁこんな職業だしな。
こういう落ち着ける場所が無いと、やっていけないっつか、まぁそんなのだな。」
受付まで行くと、声を掛けられた。
「おー、雷さん。
今日はどんな用っすかー?」
受付の、髪を金に近い茶に染めた若い男が言う。
「こいつ登録したいんだけど。今大丈夫か?」
「んー。大丈夫っすよー?
雷さんが来るってことは能力有りの方っすよね。
とー・・・じゃあまずこれに、書いて欲しいんすけどー」
そう言って、紙とペンを出す。
「えーっ・・・とっすねぇ、部隊は決まってるんっすか?」
「しばらくはオレの所だな。
基本の体技も教えないといけねぇし。」
「そっすね。
じゃあとりあえずー、赤い枠の付いてない所だけ書いてくださーい。
赤い枠はこっちで書くんでー」
「おぉ。」
紙とペンを受け取ると、慣れた手つきで必要事項を書いていく。
「・・・こんなもんか?」
「はい大丈夫ーっす。
新規登録っていろいろやることあってー、まぁ上で許可通って戻ってくるまでちょっと時間かかるんでー、登録できたら連絡します。」
「ありがとな。
じゃあ終わったら頼んだぜ」
「頼まれましたよー。
じゃ、雷さん仕事の方よろしくっす。」