教育実習生 坂田銀八

□はじまり
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唐突に、いつまでもここにはいられないのだ、という決まり切った現実が身近なものとなる高校3年生。


ここにはいられないなら、どこへ行くのか。
行きたいと思う場所へ行けるのか。
けれどそこは本当に、行きたい場所なのか。


漠然とした不安と、焦り。
見えない距離感と、掴めない力加減。


考えれば考えるほど、何かを見逃しそうになる。
もうすでに、何かを見失っている気もする。


だからまずは、歩くことに専念する。

周囲におだてられ、急かされ、時には厳しい言葉を投げ掛けられたりしながら。
自分と周りの歩幅を、常に見比べながら。


彼が僕たちの前に現れたのは、まさに、そんな道の途中でのこと。






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