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□もう一年!
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今日は大切なクラス替えの日

ひとつ学年を無事にあがった私達はこぞって壁に貼られた白い紙に集まる



歓喜の声や寂しそうな悲嘆の声が入り混じる中

私は2人分の名前を探す





彼の名前はすぐに見つかった

目立って見つけやすい名前だな、と頭の隅で考えた



【越前リョーマ】

カタカナ4文字なんて人は別に国際交流に長けていないうちの学校では彼くらいなものだろう


そしてその名前が書かれた紙の中を順に追っていく






数週間前の終了式の時にやっと名前を覚えてもらっていることを確認したくらい浅い仲


まあ、
『名前覚えてくれてたんだ!』
なんてうっかり口に出してしまった私に返されたのは
「流石にクラスメートの名前くらい覚えるって…」
っていう呆れたような声だったけど


まあそれは憧れの彼に名前を呼ばれた喜びに比べれば些細な失敗だと自分を慰めておこう








と……不意に見慣れた文字列を視界が捉えた



『……――っ!!』



一瞬目の前が眩んだ気さえするその感動の瞬間



……後頭部に走る衝撃




『いっ…!?』


少し妙な声を零してから後ろの私に衝撃を与えた原因を振り返る









「また1年よろしく」





『っ…りょっ……りょっ』




ひらひらと貰ったばかりのくだらない校則を連ねた冊子を振りながらおそらく私達の教室へ向かうその後ろ姿に


喜びやら戸惑いやらが入り混じってパニクった私は相当どもった後






『リョーマくんっ!!こちらこそよろしくお願いしますっ!!』




思い切り叫んだ










(この瞬間、私の一年間が幸せなものになることが確定したっ!)










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