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黄色のきゅーぴっと
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皆が部活動に励む中




居残り補習を終えた帰宅部の私は早々と、帰路に着くために昇降口を出た










─ポーン


─パコーン



『?この音……テニス部かな。いっつも私が帰る時間帯は走ってるから……』

私は少しめずらしいその音に歩く速度をおとした






『そーいえば、みんながカッコイイって騒いでたな。覗いてみよっかなー』








なんて、それでも足は確実に校門へと向かっていて






止めて道をそれる気なんてないのにつぶやいて……








─トンッ
コロコロッ…………








『あ…………』





そこに私の足を止める黄色が転がってきた







『テニスボール……?』










「ねぇ、ソレ取って!」









運動部の掛け声だけが遠くに聞こえていたそのオレンジ色の空間によく通る声が響いた





明らかに私に掛けられているであろうその声に転がってきた黄色を拾いあげ、







私は振り返った──








少し離れたところに見える白いキャップの少年





背丈からして後輩だろう






私は軽く声を掛けて手の中の黄色を投げた








弧を描いて彼の手に収まる黄色を目で追って彼を見る







と、先程までキャップでよく見えなかった瞳とぶつかった








それはどこか挑発的で強くしっかりとした綺麗な瞳で







私はトキを止められた──









「Thank you.」








目について離れない黄色の残像と




彼の後ろ姿が





オレンジ色の世界に残った








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うちの学校には硬式テニス部が無いので少しあのテニスらしいボールが恋しくなって…;


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