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□まえぶれ
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今は放課後
気持ちいいインパクト音
私がただ一点
見つめているのは
テニスコートの上で跳んで走って動き回っている
真っ白な帽子から覗く
あの、挑発的な瞳───
だったんだけど………;
やっちゃいました………
愛しのカレが真剣に部活してる横で…………
「────なんで今日、アイツとあんな楽しそうにしゃべってたの?」
私の王子様……………
相当ご立腹の様です……
「ねぇ、聞いてる?」
『……ハイ………;;』
でも、普段あんまり感情を表に出さないカレが“ヤキモチ”を焼いてくれるのは正直……嬉しい…………──
私はホントにリョーマ病かな……//;
「アンタ、俺の練習の応援に来てくれてるんじゃないの?」
『もちろんリョーマの応援にっ!』
「今日のは完璧に俺の集中力を削ぎに来てたよね?」
『めっそーもございません………;』
「おかげでミス連発するし部長に走らされるし?」
『ごめんなさい;お疲れ様でしたっ………;;』
いや……やばい…………今日はどうしたのッ!?
いつもならひととおり嫌味言ったら笑って終わるのにっ………
沈黙─────────
沈黙────────;
沈黙───────;;
沈黙っ───────;;
『───リョーマ………怒ってる………よね………』
「────当然」
『───ッごめんねっ?リョーマは頑張って練習してたのにっ』
「そーじゃないジャン」
『え?』
「アンタ、まだ俺にどんだけ愛されてるかわかってないんだ?」
そうやって帽子の鍔を下げながら嬉しい言葉を紡いでくれる─────
やっぱり私はリョーマ病だ──────
きっと一生治らない不治の病…………────
『リョーマっ!///』
──ガバッ
「わっ!?ちょっ!!」
『えへへっ///大好きっ』
「俺も」
─チュッ
『んっ!リョーマっ///』
「今ので今日の分は無しにしてあげる」
────王子様の嫉妬は
──────幸せの前兆
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