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□未来を…
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「ごめんね?大掃除の手伝いなんかさせちゃって」
『いえいえVvお家が広いと大変ですねー』
私は今日、越前家の大掃除を手伝っている
普通にリョーマとのんびり過ごしていたらリョーマのお母さんが呼びに来て
「今日ぐらいしかお休みないんだからやってしまいなさい!」
ってゴミ袋を持ってきちゃったんだよね……;
「ねぇ、学校のプリントって置いとくべきなの?」
さっきからずっと不機嫌丸だしで机に積みあがっていた紙の束と向き合っていたリョーマが不意に声をあげた
『復習とかするなら置いておいた方がいいけど…』
「ふーん」
私が答えるが早いか
もう既にリョーマの手にあったプリントはもう片方に持ったゴミ袋の中に……
──……なんか、リョーマっぽい掃除の仕方だよね;
『あVvリョーマ!このトロフィー全部リョーマの?』
ゲーム機がつながりっぱなしの危ないテレビを片付けた私は次にタンスの上へ向かった
「……ん……」
やっぱり返ってきた声は不機嫌そうで
なんとなく可愛く思えて
軽く漏れた私の笑い声にも
「何?」
って反応してくれて
たまにはこういうのもいいかな?なんて///
そおっとそおっと気を付けてひとつずつ拭いていると
トロフィーの陰に小さな写真を見つけた
『あ……』
そこにいたのは今、私の隣にいる彼と同じような不機嫌な顔をして
白いFILAの帽子をかぶった男の子
『ねぇ!この写真…リョーマ?』
「……?どれ?」
『この子っ!』
「あぁ……うん」
『やぁっVv可愛いーっ』
そっけなく興味なさそうに答えたリョーマに対して思いっきりはしゃぐ私
や……だって本当に可愛いんだもん///
「可愛いって何;」
直ぐに目線を机に戻したリョーマがもう一度こっちを向いて呆れたみたいに呟いた
『えー?本当に可愛いよー?リョーマにもこんな時期、あったんだねー』
「どーゆー意味?」
そう言いながらまたプリントの山を崩し始めたリョーマは優しく微笑んでて
多分……きっと……
そんな綺麗な顔を見せてくれるのは私にだけ///
そんな確証のあるようなないような……けど
信じられることだけは出来るって
だけどね?
『ね、リョーマ?今度どこかで写真とろっか!』
「何?いきなり」
『なんとなく?写メばっかりだとなんか消えちゃいそうで怖いなーって』
だけど
ちょっとだけ
私がいなかったリョーマの時間が
寂しく感じられた
なんて………
「あぁ……アンタだったら携帯失くしそうだもんね」
私の心を知ってか知らずかリョーマはそう言って笑ってた
知らない時間があったっていいよね?
たった12年間だもん
その分もっと
ずっと
これからを一緒にいようね
.