文章1
□予感
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都会から転校生が来るという噂を俺はいち早くキャッチしていた。
俺も都会から半年前に越してきたばかりだったけど持ち前の人当たりの良さっつーか、陽気さでかるーく周りにとけ込んでいたからお節介な周りが「花村の仲間出来んじゃん」と俺に教えてくれたのだ。俺はその転校生に興味津々ってフリして話題に食いついたけど(いや、実際興味は人並みにあったはあった)、友達の何気ない一言にざっくりと刺されてそれどこじゃなかった。
「花村の仲間出来んじゃん」って、俺を仲間だと思ってたら出ない一言だと思う。薄々まだ俺は浮いてんなって思ってたけど、なんか突きつけられると辛い。こんな田舎に馴染めってのが無理だろって拗ねてみたって俺はまだ二年はここに縛り付けられなきゃいけない。それなりに馴染んどかないといけないわけで。
偶に息苦しい。
けどこんなもんだろって自分を騙す。
どうせみんなこうやって生きてるんだし、俺だけじゃない。
都会からの転校生。同じクラスだったら話しかけてみっかな。
end
出会う前こんなかなー?