☆プレゼント☆
□曇、のち晴れ
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「はあ〜…」
窓から見えるどんよりとした曇り空を見上げて、俺は溜め息をついた。
今にも泣き出しそうな空の色は、まるで今の俺の心をそのままうつしているようだ。
裕太のヤツ…
もう3日も会ってないっていうのに、電話のひとつ、いやメールひとつしてこないなんて。
会えなくて寂しいって思ってるのは、
声が聞きたくて仕方ないのは、
俺の方だけかよ。
いい加減…寂しいとか悲しいだなんて気持ちも通り越した気がする。
「…一磨くん、怖〜い…」
「ほっときなさい、凜。ああいうオーラ出してる一磨に近付くと、ろくなことないんだから…」
そんな羅夢の言葉にも言い返す気力すらなく、俺は机に突っ伏した。
「…そんなに会いたいなら自分から会いに行けばいいのに」
半ば呆れ気味にそう言いながら、聖斗が俺の前に座る。
「一磨くんらしくないよね。いつもなら自分から行動するのに。なにかあったの?」
なにか?…いや、多分何もないんだ。
元々電話やメールをマメにくれるタイプでもない。
どっちかと言えば鈍感な裕太のことだ。まさか自分の取った行動で、今俺がこんなにウダウダ思い悩んでるなんて、気付いてもいないだろう。
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