妄想の小川
□ひだまり
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あ、あつい…
あつさとおもさにアユミュ君がねがえりをうつと、ドスンッ!というおとがへやにひびきます。
…あれ、か
はんにんがナニかこころあたりがあるアユミュ君がもういちどねようとすると、ゴソゴソとあしもとにのりあげるナニカがあります。
……。
アユミュ君はムクリとおきると、そのナニカをペシリとたたいてベッドからおろしました。
「おもい、ジャマ」
それはねむりをジャマされたアユミュ君のフキゲンにきづかないのか、したをだしてムジャキなひとみでアユミュ君をみあげました。
「いいかげんすてるぞ、トウヤ」
それはまいばんくりかえされるコウケイでした。
1かげつまえ、トウヤはアユミュ君のおうちにきました。
「トウヤっていうの。アユミュちゃん、かわいがってあげてね」
おかあさんのこえといっしょにソレはアユミュ君にとびつきました。
…おもい
でかくておもい。
アユミュ君はおもいました。
アユミュ君がガッコウからかえると、トウヤはいつもとびついてきます。
「バカイヌ、おもい!」
やっぱりペシリとたたきます。
そんなときのアユミュ君はちょっとえがおです。
それはアユミュ君のだいすきなにおいがトウヤからするからです。
ポカポカひだまりのかおり。
アユミュ君がかえってくるのをひだまりでじっとまっているトウヤからするにおい。
「ただいま」
ワシャワシャとあたまをなでてあげます。
トウヤはクーンとちいさくなくと、アユミュ君のそでをかるくかんでいどうします。
いつものばしょ。
まどぎわのポカポカひのあたるばしょでふたりはペタリとすわります。
あったかい…
アユミュ君はこのじかんがだいすきです。
おおきなトウヤにもたれて、めをとじます。
きもちいい…
それでも
よるのトウヤは大嫌いなアユミュ君でした。