しょーと

□友情
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サスケが木の葉に帰ってきたという設定です。




元7班にヤマトとサイはカラオケボックスに来ていた。

名づけて、<祝サスケ木の葉に帰ってきたってばよ!会>である。

このネーミングセンスを疑いたくなるものの、つけた本人がどうしても開きたいと言って出来た会だ。

最初のころは祝われる本人も嫌がっていたが、ナルトの押しが強く、最終的には勝手にしろと承知した。

本心はうれしかったのかもしれない。






伝票にかいてある個室に行くと、6人でちょうどいいと言った広さ。

サクラは備え付けの電話でさっそく注文する。



「生ビール2つと…あ、大丈夫ですよ。
ここには、はたけカカシがいますから。
……あともうひとり。
それと、ウーロン茶4つとおつまみセットでお願いします」


カチャ、と受話器を元に戻す。


「あともうひとりっていうのはボクのことかな、サクラ?」

「ウェイターさんがカカシ先生の名前を聞いただけで喜んじゃって…」


言い訳になっていない言い訳をナルトがさえぎる。


「オレってば、もう曲入れたかんな!」


すでに始まっていて、前奏を聞く限りノリのいい曲だ。


「ところで、入れるとはどういう意味ですか?
“入れる”を本で調べたところ、穴の中に何かを入れるとのように表記されていたのですが…」

「本はあくまで説明なの。
実際に試してみることが近道よ」

「………、ではサスケくん、ズボン脱いでもらえますか?」

「そうくる…じゃなくて、そういう意味じゃないわよー!
なんて本読んでるのよ!」

「お前ら、ちゃんと聞きなさよ」


ズボンに手を掛けるサイと、抵抗を続けるサスケをイチャパラを読みながら注意するカカシ。

説得力に欠けるが、みんなは耳を傾ける。


「はじめて君としゃべった 君は笑ってくれた…」



そういうこともあったな、とサスケはひとり想いふける。

すべての始まりはあの時だった。



何もかもに自棄になっていたころ、緊張しながらも優しく声を掛けてくれたのはナルトだった。



自分が今もこうして木の葉にいられるのはナルトのおかげだと…。





次は私ね、といつの間にか曲を入力していたサクラはマイクを手に取る。


「飛翔いたら 戻らないと言って 目指したのは…」



あの時は育ってきた里を、任務をともにした友を裏切り、復讐に取り憑かれていた。



達成したところで残るものは、己に対する嫌悪感。



昔の自分はひどく無知で、幼すぎた。



無くしたものはもう戻ってこない。



今更気づいても遅すぎるんだと…。






その後、皆がこの会を楽しんでいるように見えた。

ナルトもサクラも自分から歌っていた。

上忍二人は飲食に励んでいるようにも見えたが…。




そして、しばらくすると店側からの“残り10分になります”の電話がかかってきた。

それを聞き、ナルトは思い出したようにサスケに言う。


「お前、まだ歌ってないってばよ!
一曲でいいから歌わないと意味ないって!」


それに…とナルトは続ける。サスケは突きつけられたマイクをしぶしぶ受け取り、曲を入力した。




「You’re my friend ああ あの日の夢…」



部屋が曲とサスケの歌に埋め尽くされた。


彼の選曲と流石と言いたくなる上手さに静まる5人。



「Thank you my friend  ああ あの日の事今でも覚えているから…」



歌いきった後のサスケからは涙が零れた。

手でいくら擦ってもとまる事はなく、輪を掛けて溢れてくる。


「みんな…またオレはここに戻ってきてもいいのか?」



この言葉をいうのにどれだけの勇気がいったことか。



否定の答えが返ってくれば、オレに居場所はない。



そんなみんなの反応を考えると、とても怖い。



それを思うと、もっともっとそれは溢れた。



「当たり前だってばよ!
サスケはオレらの仲間だ!」

「そうよ、サスケ君。
当たり前じゃない!」



声を押し殺して涙するサスケを、で抱き合う3人に、それを見守る上忍2人にサイ。




いいムードの中、会は幕を閉じた。





あとがき
これ、サスケ誕生じゃね?とかきながら思ってしまった作品。
やっぱりサスケにはナルトが必要なんだと思いました(あれ作文?)

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