ロックマン小説
□初めての弟2
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―――頭部精密機器ニ損傷。緊急停止シマス。
重苦しい音と、強すぎる衝撃が、クラッシュを襲う。
「……あ」
クラッシュは一声呻くと、その場に倒れた。
ゆっくりと倒れて行くクラッシュの身体を、クイックが支える。
完全に機能停止状態のようだ。
起き出すこともないだろう。
「大丈夫だったか。」
勝負が決したのを見計らい、メタルが部屋に現れる。
彼は、クラッシュの顔を見て、寝顔は可愛いんだが……、とつぶやいた。
「頭をおもいっきり叩いてやった……それ以外の損傷は……右腕ぐらいだ。
頭部修理してもらうついでに博士に感情制御装置の強化してもらったほうがいいなコレは…………
フラッシュはどうだった?」
「修理に二週間程。ワイリー様、目を回してらしたぞ。クラッシュがやりました、と伝えておいた。」
兄弟喧嘩もここまで来ると戦争だな、と付け加えるとメタルは部屋を出て行く。
クイックは眠るようにして停止しているクラッシュを見つめると
「……本当にガキだな……」
静かにつぶやいた。