DWNリーマンパロ

□スウィート・スウィート
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「フラッシュせんぱああああああああああい」


「!?」


だだだだだだ……


突然、物凄い声と、騒々しい足音が響く。


フラッシュは、目を丸くし口を引き攣らせながら


「……あいつか……?」


つぶやいた。


「先輩ー俺チョコ作ってきたんスよぉぉ!」


ぜえぜえと息をきらしながら、何物かがオフィス内に入ってくる。


……第3課(営業課)、スネークマンだ……


スネークは、キラキラと瞳を輝かせると


「先輩!これ食ってください!」


やたら巨大な箱をフラッシュに押し付けた。


「ああ〜……あのな……俺は別に野郎からチョコは」


「照れなくていーんスよ先輩!!全くーー」


―――照れてねえ!迷惑なんだよ!


「ちょっとスネーク!フラッシュは俺んだから!変な物くわせんなよ!」


クラッシュは頬を膨らませると、ぎゅーとフラッシュを抱きしめた。
……ものすごい力で。


―――いだだだだだだだしぬしぬしぬしぬしぬギブギブキブ


フラッシュは青い顔で、デスクに手をたたき付けるが、クラッシュは気づかない。


「クラッシュ先輩横暴っス!抱き着くのやめてくださいよ!」


「やだやだやだーフラッシュは俺のー!スネークバーカ!」


ぎゃあぎゃあ……


騒がしい隣を一瞥すると、クイックはため息をついた。


―――煩い……でも口だしするのも面倒臭い……


関わりたくない、というのが正直なところだ。


「騒がしいな」


オフィスに、鋼のように鋭い声が響いた。


その途端、オフィスは静かになる。


―――メタルか。


課長のメタルである。クイックは、声のほうを見た。


メタルが、大量のチョコを持ち、歩いてくる。
ゆうに百はあるかもしれない。
メタルは女性には優しい(ただ、その半面遊びの対象としか思っていない節もあるのだが)ためか……


やたら

モテる。


「クイック、お前もだいぶもらったな」


「課長ほどではありません」


クイックの場合、朝早くオフィスに来ると女の子達が列を成して待っていた。

クイックが来るなり黄色い声を上げ、チョコを渡された。


―――迷惑だ


そう思ったが、無下に断る訳にも行かず……結局すべて受け取った。
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