DWNリーマンパロ

□スウィート・スウィート
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「クラッシュ、スネーク争うなら外でやれ。煩い。」


メタルの言葉に、スネークは「はいっ」と礼儀正しく返事し、クラッシュはベーと舌を出した。


そのまま、素直にフラッシュを引きずりながら廊下へ出て行くクラッシュ。
スネークが何やら叫びながらそれを追い掛けた。
……ちなみに、フラッシュは白目を向いていた。


―――……二人きりか……嫌だな……


クイックは深くため息をついた。

メタルと二人きりになるとろくなことはない。


「クイック、お前は俺にプレゼントはないのか?」


メタルは、クイックの肩に手を置くと、言った。


「お言葉ですが、バレンタインは好きな異性にチョコを送る日でしょう。」


「異性……ではないけどな……お前は俺のこと、好きではないのか?」


メタルの唇が、クイックの耳元に近付き、甘いこえでそれを囁く。


「……ッ!」


―――どちらかと言えば、嫌いなほうだ……


でも、何故
俺の顔は赤くなる?

何故、鼓動が速くなる?

何故…………
何も言えなくなる。


「ふっ……まあ、お前が強情なのは知ってるさ。」


メタルはおかしそうに笑うと、クイックから離れた。


「……」


クイックは、曲がったネクタイを直すと、ちらりとメタルを見た。


「瞳が潤んでる」


「!!」


そう言われて、クイックは慌てて目を反らした。


全身がカッと熱くなって、痺れたように身体が動かない。


―――嫌いな、はず、なのに……


何でこんなに……


メタルは黙って下を向くクイックを見て、くっと笑うと


「クイック、受け取れ。」


何かを投げてよこした。
クイックは慌ててそれをキャッチする。
それは、手の平サイズの赤い箱。

「!?」


「プレゼントだよ。わざわざ買ってきてやったんだ。高級チョコ……甘い物、嫌いではないんだろう?」


「……あ……」


ありがとうございます、と言おうとして、言葉が出なかった。

異様に喉が渇く。

クイックは、それをギュと掴むと、メタルを見た。


相変わらず、高慢な笑顔をクイックに向けて

「お返しは……そうだな。お前の身体でいい。」


甘い声で言うメタル。


―――やっぱり、こいつは嫌いだ……


そう思いつつ、クイックの身体はますます熱くなっていった……



END
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