ロクマ小説2

□ブログ小話3
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その、細い機体に触れた。あまりの細さに壊れてしまいそうだと、そう錯覚したが、まさか壊れる訳は無い。どちらかと言えばサポートタイプだが、彼とてワイリーナンバーズなのだから。
触れた途端、ぴくりと揺れる肩。逃れようと、もぞりと動くが無駄なこと。彼の細い肩、腕、腰、太股に……縄が無情にも食い込んでいくだけだ。
それを見下ろし、くつくつと喉を鳴らして笑う拙者を、目付きの悪い、暗闇であってもまるで発光しているかのように赤く輝く瞳が見据える。そう、貴殿は絶対に屈しない。
何があろうと、その不遜な態度は崩れない。しかし、その態度こそ拙者の情欲に火をつけている……と言うことに彼は気付いていないのだろうか?

「拙者は」

哀れ、捕らえられた捕食者はそれでも強気な態度を崩すこと無く。隙あらば拙者を喰らおうと鋭い歯を見せながら、まるで威嚇するかのように唸るのだ。

「貴殿を束縛したかった」

喰らいたいなら喰らってくれても構わない。彼に喰らわれるのなら未練は無い。それほどに愛してると言うのに。
彼の心は拙者のモノでは無いから。

彼の身体は縛られ、もはや拙者の思うがまま。
抵抗出来ない彼を抱きしめる。舌打ちとともに首筋に感じる痛みと……熱。
ああ、噛まれたのか。そう思ったが、今の拙者にはその痛みすら快楽に感じるのだ。

「スネーク殿…………」

貴殿の心は、いつになったら拙者のものになる?
束縛、したいのだ。
その心すら。

噛まれたお返しだと言わんばかりに、彼の薄い唇に己の唇を重ねると、貪る様に口内を荒らしてやる。
苦しそうに喘ぐ彼の息が、愛おしかった。
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