ロクマ小説2

□ブログ小話3
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「いい兄さんの日だぞ、メタルマン」

「黙れブルース、消えろ。……というか何故ワイリー城に居る」

「つれないな。長男同志じゃないか。いい兄さんについて語ろ……」

「帰れ!!」

何をしにきたんだコイツは……と、その紅い瞳が語っている。メタルは居間のソファーに座り直すと、新聞に目を落とした。
ブルースがいきなりワイリー城に来て10分。先日、敗北したDWNとしてはあまりライト側との関係を壊したくはない為、ロックやロールの訪問は許容してきたのだが、ブルースは別だ。
何を考えているかわからないし、何をしでかすかわからない。
とにかく、神出鬼没の、この謎の多い男を信用出来なかった。

「とにかく、帰れ」

「まあ聞いてくれ」

「いやだ」

「ロックやロールに、お兄ちゃんはいいお兄ちゃんかい、と聞いたら、放浪癖でニートなお兄ちゃんはいいお兄ちゃんじゃないと言われてティウンしそうなんだ」

「そうか、よかったな消えてくれ」

しっしと手で払う仕種をするが、ブルースは去る気配は無い。

「さて、今日はメタルの弟達に【メタルお兄ちゃんについてどう思いますかアンケート】を実施した」

「勝手に実施すなぁぁぁぁぁ!というかうちの可愛い弟達と親睦を深めようとすなぁぁぁぁ!表出ろ真っ二つだ!」

立ち上がり、メタルブレードを投げ付ける怒りの長男。ブルースは背中から素早く盾を取り出し、構える。
渇いた音をたてて、鋭利なブレードはブルースに届くこと叶わず盾に突き刺さった。メタルは「ちっ」と舌打ちをすると、再びメタルブレードを構えた。

「……アンケート、聞きたくないのか」

「……そのアンケート、いい結果なのか悪い結果なのか」

「まちまちだな」

「よかろう、聞かせろ」

メタルはブレードを降ろすと、ソファーに機体を沈み込ませた。ブルースは、ふところから紙を取り出すと「こほん」と咳ばらいをひとつ。

「……えー、まずは【変態、7票】」

「……弟全員だろうがあああああ!いい結果な訳があるかあああああ」

「落ち着け、次。【ウザイ、6票】」

「……たぶん、ウッド以外全員だろうな、うう」

「次、【ドSで鬼畜、4票】」

「……悪いことばかりじゃないか」

散々な結果に、床にorz状態で、洗浄液を流すメタル。
ブルースの手が彼の背中を優しく叩いたが、メタルは至極嫌そうに顔をしかめた。

「いい結果もあるぞ……【任務の時だけは頼りになる、5票】【任務の時だけは冷静、4票】【主夫要因、3票】……あと、【嫉妬深い、1票】【時々病む、1票】【甘え方が下手くそ、1票】【愛情表現が肉体的な意味で痛い、1票】……以上」

「いいのか悪いのかわからんわ!つか最後の4つ、明らかにクイックだろうが!!」

「ああ、クイックマンだ。照れてなんだかんだ言いつつ答えてくれたぞツンデレだな……いい弟だ羨ましい。うちのロックは少し腹黒いところがあるから時々ふらりと帰ってくると、まるでトイレの床を拭いた後の雑巾を見るような目で、見てくることがあるんだが、アレはツンデレなのか?」

「……率直に言おう。貴様は嫌われている」

「orz」

今度はブルースが床に手をつきorz状態だ。メタルはそれを見て、別に何の感情も浮かばない。単なる部屋のオブジェとして(そんなオブジェは要らないが)無視することにした。

「お兄ちゃんだって好きでニートしてる訳じゃ無い……いや放浪は好きだけど……俺ってかなりイケメンなのに何故こんな立ち位置なんだろう」

……だいぶ煩いオブジェだ。

「黙れニート。なんだったら新型ジョーとしてうちのステージに配置してやろうか、時給200円くらいで」

「安ッ!ってかジョーは俺を基盤にした量産型だろうが!俺だってボスくらいの働きはするわ、2内最弱ボスのくせにっ」

「………………貴様、ティウンさせられたいようだな?よかろう、ならばここで切り刻む。ここで貴様のはらわたを喰らい尽くしてくれる!」

「お前はバラ●スか!そもそもはらわたなんか無いわ!あるのは鋼鉄だけだ!……とにかく、ニートの本気を見せてやろう!来い!A賀版では3ボス全員をも退けた(と思う)俺の力を舐めるな!」

「死ね口笛気障ニーーーート!」

「ウザイ変態鬼畜兄貴は消えうせろ!」














結論
居間での大乱闘な結果、弟達がたいへん迷惑したので彼等はいいお兄ちゃんとは言えない。
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