ロクマ小説2

□ブログ小話3
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家族ごっこパロ+けもみみパロっつうカオスなあれ



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帰ったぞと呟きながら、家の扉に厳重にかけてある電子キーを解除した。
丸太で作られたような酷く質素な家ではあるが、セキュリティに抜かりは無い。
俺以外のものには外せないであろう難解なロックと、不審者が侵入しようものなら容赦無く「それだけ」を焼き尽くすレーザーを搭載済みだ。
どうやって?
まあ、企業秘密というやつだ。俺の大事な嫁と子供達が、俺の留守中に喰われてしまわないようにとの配慮なのだ。
……まあ、この森で俺を敵に回すような阿保は居ないとは思うが。

「クイック?」

家内に入っても、いつもなら「おかえり〜」と尻尾をふりながら迎えてくれる猫の嫁も、その嫁の胸に抱かれている小さな兎も、直ぐさま抱き着いてくる嫁そっくりのちいさな猫も、姿が見えなかった。
やけに静かな部屋を見回してみるが、何者かが侵入した形跡も無し。歩を進めると、ちび達ふたりが散らかしたままの玩具が、足にぶつかった。
何処に行ったのだろうかと不安になり、手をにぎりしめれば奥のベットルームのほうから「にぃ」と言う気の抜けた声が聞こえてきて安堵する。
……なんだ、そこにいたのか。

「昼間っからいい身分だな……」

案の定、ベットルームを覗くと大きな猫と、小さな二匹が仲良くお昼寝中。
クイックに絡み付くように、ちいさな猫と兎がくっついてスゥスゥと可愛い寝息を立てていた。
おおかた、ちび達を寝かし付けようとして自分も寝てしまったのだろうと推測する。
ちびメタは、クイックの胸の中で兎の耳を微かに揺らしていた。ちびクイックはといえばクイックの背中にしがみついて時折猫の耳をせわしなく動かし、尻尾をパタパタとシーツにたたき付けている。
思わず、その幸せそうな光景に笑ってしまった。
ベットの端に腰を降ろすと、ぎしりとスプリングが音を立てる。それに反応してクイックが小さな鳴き声を上げた。何かむにゃむにゃ言っているが起きる気配は無い。
時折ピクピクと動く猫の耳に触れると、クイックの口から「にゃ……」と少し高めの鳴き声が漏れる。その刺激が気持ち良いのか、長い尻尾がゆらゆらと揺れた。
触り心地の良い耳を幾度も撫でると、クイックの機体がもぞもぞと動く。段々顔がピンク色になってきたのを見て、寝ながらも興奮するとはとんだ淫乱だなとけしからんことを思ってしまう。
ちび達がいなかったら速攻襲っていたかもしれんが、ここは自重することにしよう。

幸せだなあと、コアがじわじわ温かさに満ちていくのを感じながら、いつの間にか俺も三匹と一緒にまどろんでいた。



END
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