連載

□第1回
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ピンポーン♪


そう軽快な音を立てたのは実甘さんの家のインターフォンだ。
そして数秒後にガチャリと扉が開いた。



「はーい」



そう満面の笑みで入ってきたのは果物 実甘<-クダモノ ミカン->さん。
二人で簡単な挨拶を済まして家の中に入れてもらった。




****実甘さんの部屋****




コト...

そう小さな音を立てて実甘さんのお姉さん、ぶどうさんが俺達の前にオレンジジュースの入ったコップを置いた。



「ゆっくりして行ってね。(実甘に何かあったらただじゃ済まさねェぞ((黒オーラ)


「ありがとー」



そう言ってぶどうさんは去って行った。
そして()の部分には実甘さんは気付かずに、得意の笑顔でお礼を言った。

そして隣にいる兄さんは真っ青だった。



「お前の姉ちゃん、相変わらず怖ぇな…」


「そっかぁ?」



多少の談笑をしてから、兄さんは昨日話した事なんだけど。と切り出した。



「あぁ、黄羅はOKしたの?」


「まぁね。」


「?」



そう背景にどよ〜んて感じの効果音が付きそうな暗いオーラを出しながら返答した。

そして実甘さんは確か…と言って会話の内容を元に戻して、



「確か決まったら電話するんだったよな?」



そう言った。
そして兄さんはそれに対して頷いて、実甘さんに、さも当然かのように電話を貸せと言った。
そして実甘さんもさも当然かのように受話器を持って来た。
そしてこれまたさも当然かと言うように俺に受話器を渡してじゃ、黄羅宜しくぅ〜と言って来た。



「何で俺?」


「いいじゃ〜ん。TA・MA・NI・WA☆」


「ウザイ・・。」



そうボソリと言うと、兄さんはズガーン!!となって「orz」って体勢になってこぉらが…俺の可愛いこぉらが…とかブツブツとボヤキ出した。



「ハァ…。解かったよ、やれば良いんでしょ、や・れ・ば。たっく世話の焼ける…



そう言いながら受話器を持って廊下に出て、名刺に書いてあった番号に電話した。



プルルルル...プルlu...ブツッ!!



《はい〜。しゅわしゅわ事務所でーす。》



そう言って男の人の明るい声が聞こえた。



「(しゅわしゅわ事務所?!)あ。あのお・…この間スカウトされた炭酸の弟ですけど・・・」



"しゅわしゅわ事務所"の"しゅわしゅわ"と言う単語に反応しつつも一応名前を言った。

そして恐らく事務所の人からはこう帰って来た。



「あー。あれねぇ。
じゃ、明日事務所来てぇー。
明日デビューねぇ〜。
デビュー曲考えとくねぇ〜」



ブチッ



その言葉を最後に、電話は切れた。
えーー。。。とか思いつつも一応兄さん達に報告しなきゃいけないので、とりあえず部屋に戻った。



「どーだった?」



そう言って来たのは実甘さん。
こう言う時、一番に声をかけてくるのは兄さんなので、ちょっとだけ気になって兄さんの方を見ると・…

まだいじけてた。


ので、ここは…



「うっうっ…こぉらぁぁぁ…」



いじけてる兄さんには…



「兄さん…」



秘技、



「うっ、、、こぉら…?」


「泣かないでよ、兄さん。俺も・・悲しくなるじゃん…っ///」



泣き落とし。

最大限出せる限りのロリボイスに、
もう兄さんのお蔭で涙腺を操れるようになったので、ちょっと目をうるめて…
これに軽く頬を染めれば万事オッケー。



「!!」



そして兄さんは元気を取り戻して、ゴメンな!ゴメンな!そう言って俺を一生懸命慰めてきた。
そして、まぁ兄さんも元通りに(ウザさが)戻ったので、実甘さんにやっとこさ返答した。



「そうそう、事務所の人が、
何かすっごく簡単にデビュー決定したんだけど。」


「マジで?!
すげぇじゃん!!」


「キャッホーイ!!」



実甘さんは普通に喜んで、
兄さんは派手に喜んで、
俺は普通にドン引きした。








こんなんで良いのかな?

(そして後で、変な詞がFAXから届くのだ。)








 

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