僕が愛したN。
□NO,4【通信手段】
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N先輩と仲のよい、男子が運良く隣の席になった。
枚田って言って、明るくて面白くて、喋りやすい人だった。
枚田にいつも先輩の相談をしていて
ある日枚田が
『N先輩って、ケータイもってるらしいよ』
と言ってきた
メアド知りたいなぁって、冗談っぽくいったら、枚田は『聞いてきてやる』って言ってくれた。
そして約一週間後
枚田は小さな紙を私に渡した。
『聞いてきた。っつか、書いてきてくれた。ソレ先輩の字だから(笑)』
って。
薄い文字で
切手くらいの大きさの紙に
走り書きで書いてあったメルアド。
ああ
これ先輩の携帯のアドレスなんだ…
正直、実感がわかなかった。
メールを送って見たかった。
でも緊張して
ずっと送れずにいた。
返事くれなかったら?
くれてもキモいとか言われたら?
もしこのメアドすら違って、届かなかったら?
不安が山積み
送信ボタンを押せぬまま、2週間が過ぎてしまった。
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