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□C12月4日
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12月4日。

それは私にとって特別な日。

私にとって、年に一度の、勝負の日。

だって今日は、


「仁王クン誕生日おめでと〜」「プレゼント受取って〜」


仁王雅治の誕生日なのだ。


私の席の隣に、仁王がいる。
1年からずっと同じクラスで、友達以上恋人未満の関係…だったりする。

まぁ…腐れ縁とも言うが…。

とにかく、まぁ、なんだ…。
ここまで一緒だったし、プレゼントやろうかなぁ…とか思ったりして。

去年もあげてたし、今年もやろうかなぁとか。

でも…


「「仁王く〜ん」」

仁「悪い!また今度ッ!!」


どうも渡せそうにない。

去年に比べてなんか…モテてるよね。仁王。

渡そうにも渡せない。

そりゃぁ…恋人にしたいランキングand立海バレンタイチョコ獲得数は2位だったけどさぁ…。

これは無いんじゃないかなぁ。

…もしかして…
日頃から一緒にいるから、今日は会えないのかな。

せっかく用意した、このプレゼントも、もう、渡せないのかな…?


仁「お。おった。おった。」

「仁王…。」


会えないと思ったら、目の前に仁王が現れた。

どうしよう…。

すんごく嬉しい。
嬉しくて泣きそう…。


仁「今までどこにおったんじゃ?探してたんだぞ。」

「そ、それはこっちのセリフだよッ!」

仁「ほぅ。なんじゃ。俺の事、探してたんか。」

「あ…。」


やられた。でも…


「…そうだよ。探してたんだよ。」

仁「…今日はやけに素直じゃなぁ…。」

「う、うるさい!…プレゼント用意してたのに…どこにもいないんだもん。」

仁「プレゼント?」

「…うん。」

仁「俺にか?」

「い、いらないならいいよ。ど、どうせ他の子からもらってるんでしょ?」

仁「もらっておらんよ。」

「え…。」


もらってないって…。


仁「あぁいうシツコイのはどうにも慣れん。てか、無理じゃな。知らん奴からもらうとか。」

「…。」

仁「だからと言って、誕生日になんも無いのは、ちとさびしのぅ。」

「…はぁ…。」

仁「だから、お前さんのくれ。」


「え…。私の?」

仁「お前さん以外にだれがいるんじゃ。」

「え。でも…。私のなんかでいいの?」

仁「あたり前じゃ。俺が欲しいのはお前さんのだけじゃ。」

「…なんか告白されてるみたい。」

仁「なんやったらこう言ったろうか。」

「?」

仁「本当に欲しいのは…お前さんじゃ。」


!!!!!


「な、なな、なに言っちゃんてんのッ!?!?」

仁「ははっ。顔真っ赤じゃぞ。おもしろいのぉ。」

「おもしろくない!!」


顔真っ赤。
それはそうだ。

だって、好きな人からそんな事言われたら…真っ赤になるでしょうが…。

もう。忘れられない12月4日だよ…。


124

(なぁ。)
(んー?)
(あんがとな。)
(い、いえ…。)

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