short

□I・4月20日
1ページ/1ページ



目の前には、山のように盛られたお菓子。


「……何コレ…。」

ブ「俺の3時のおやつー。」

「……この山…?」

ブ「おぅ。」


この富士山を思わせるようなお菓子の山を1人で食べるのか。

てか胃に収まるのか。


「…いつもこんなに食べてたっけ?」

ブ「んー?食べねぇよ。今日は特別。年に一度の解禁デー。」

「へ?なんで今日は特別なの?」

ブ「俺の誕生日だから。」


へぇ


「ブン太、今日誕生日なんだぁ。」

ブ「意外そうな声で言うなよ…。」


えー。
だってこのブン太がクラスの最年長さんなんだもん。

驚くよ。


「ね。解禁デーって?何を封印してたの?」

ブ「俺の菓子貯金。誕生日になったら一気に使って菓子を買うんだよ。だから解禁デー。」

「…ふーん…。」

ブ「…なんだよ。その期待してたのにって顔。悪かったな。こんなんでよ。」

「別になんも言ってないじゃん。あーあ、なんか私も食べたくなってきたなー。ブン太、一つちょーだい。」

ブ「イ・ヤ・だ。」

「なんでぇッ!?」

ブ「俺のだもん。」

「ケチ。ブタになんぞオラァ。」

ブ「うっせぇ。いーんだよ。消化すっから。」

「ケーチ、ケチケチケチケチケチ…。」

ブ「…あぁーッ!うっせぇッ!!グチグチと…!そんなに欲しいのかよ!?」

「欲しい!!」

ブ「太るぞ!?!」

「大丈夫!ブン太がいるから!!」

ブ「どーいう意味だッ!?!」

「いーじゃん!…そのポッキー貰い!!」


山の中にあったポッキーに手を伸ばした。

すると


ブ「あ!テメッ…!」


それを阻止しようと手を伸ばすブン太。


その瞬間だった。



手が重なったのは。



「!」

ブ「わ、悪ぃ…。」

「べ、別に…ポッキー取ろうとしただけだし…。」

ブ「な、ならサッサと取れよ。」

「…いいの?」

ブ「おぅ。」

「じゃあ…貰いまーす…。」


あー…
ビックリした。ドキドキするよ……。

まさかブン太にトキメくなんて……。

…もしかして私、ブン太の事……


ブ「あ、ポッキーはその一本だけな。」


前言撤回。

この……


「ケチ野郎!」

ブ「あ!コラ!!それは俺のだろぃ!!」

「うっさーい!今日から年上なんだから優しくしなさーい!!」

ブ「それを言うなら、お前も年下らしく年上の俺を敬って遠慮しろ!」

「これも貰い!」

ブ「聞いてたか!?この野郎!」






420

仁(騒がし過ぎ…。相変わらず仲良いのぅ。)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ