朔月の図書室

□狂い
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くすくす……。






とて遠く…






何処よりも近い場所で…






あの人が笑っている……






闇が






気付かれない様にゆっくりと…。







でも、確実に…





この闇と狂気に……






あの人に…







この体は狂わされていく………





『狂い』








深い闇の底からくつりと狂気をはらんだ冷たい微笑みをうかべた影がつぶやく。




ユーリ…




「お主は余の物だ………誰であろうと渡さない…。」


黒く深く…静かな狂気




今は、まだ笑っているといい…






余がすべてを壊し、ユーリをこの暗闇に閉じ込めるその日まで………





〜・*・〜・*・〜



いつからだろう…
コンラッドやヴォルフ達には見えない鎖が見えるようになったのは………
身動きが、取れない。鏡に映る俺の腕や体には鎖が巻き付いている……。





「重い……」






いつかこの体も名前も、あの人の物になるのだろう。






渋谷有利ではなく…




『魔王』の物に








それでも、いつかあの人の物に成ってしまった体の中で、俺の…







俺の心が貴方の中で生きる事をどうか……







許して欲しい……









闇のなか…
だけど、確実に浸食されていく…






―end。。。
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