黒星の図書室

□神の血縁
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その頃の僕は閉じ込められていた。




どうしてと聞いたら悲しそうに笑って、ごめんねって言った




鉄格子から見た空に、沢山の月と太陽が何回ものぼって、何回のぼったのか分からなくなったたある日









外に逃げ出した。









だって、みんなに会いたかったから。








ココは暗くて寒くて痛いから








暖かい家にみんなのところへ














大好きな人達の所へ















『いたぞ!』
『あそこだ!!』
『化け物が…』
『アレは私のモノだ!!』
『他に…ワシのモノにならんのなら…、構わん』

暗闇の中、追う者と追われる者



一緒に大好きな人の所へ帰ろうと言っていた人は



「生きて」


そう言って悲しそうに笑たあの人の時間は


止められてしまった。




『殺せ』




ほの暗い狂気を宿したあの声に…







僕は








無力だった。







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