月の図書室
□雨の日の涙
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ザ―――…
「…雨か……。」
グウェンダルは自室であみぐるみ(猫ちゃん)の作成を一時中断し外を見ていた。
先ほどまで晴れていたのに…
「はぁ…、まぁ直ぐに止むだろう」
そう思い、再びあみぐるみの製作に取り掛かろうとした時、視界の隅に影を捕らえる。よく見て見るとそれはこの世界では珍しい黒を宿した少年王だった。
「―――っ!」
しかし、その姿を見つけるや、グウェンダルは自室を飛び出していた。
それは
そこに立っていた少年が静かなに涙を流していたから…。
「っ――何をしている!」
「Σぉわ!グウェンダル!?あぁあっと…ななな何でもないよ!」
そう言って顔を隠そうとする。グウェンダルはその大きな手でユーリの顔をこちらに向かせる。
「ならばなぜ泣いている…」
「っグウェン…ダル…」
今までユーリの涙に気をとられて気付かなかったが、ユーリは腕全体で守るように包んでいた子猫をグウェンダルに見せた。
だけど、その猫は…
「…ついさっき死んだんだ…。」
「…ユーリ」
「最近猫の鳴き声がするからこの辺り探してたんだ……だけど、見つけた時にはもう…息…ほとんどしてなくて、でも、まだ、体は暖かくて……頑張たけど俺じゃ助けられなくて………っ」
グウェンダルは優しくその小さな肩を抱き寄せた
「俺が…もっと早く…気付いて…いれば、コイツは助かったかも知れないのに…」
涙声で詰まりながら話すユーリにグウェンダルは静かに語りかける
「だがお前はソイツを見つけてやったのだれう?」
「でも…」
「その猫は死んでいる。」
「…っ」
その言葉にまた新たな雫が零れる。
それを指先で拭いながらグウェンダルは言葉を続ける
「だが…最後はお前が見取ってやった、捨てられて、一匹で、誰の温もりにも触れずに行くはずだったコイツを、お前が拾ってやった…、だから、ソイツは最後の最後で温もりにふれることか出来た。」
ユーリ…
「たしかに、命を救うことはできなかったが、だが、たしかにお前はソイツを…この猫を救ったんだ」
「グウェ…ン」
だから…
「もう、泣くな…」
そう言ってグウェンダルはユーリが泣きやむまで抱き締めていた。
それから二人て猫の墓を作り、城へ戻ってた。
しかし城は王様と元プリ長男が二人して居なくなったことて、我が儘プーはまわりに当たり散らし、王差がギュン汁だしながら大暴れしていた
それをなだめるのに半日かかったとか。
自室に戻り先ほど放り出してしまったあみぐるみの続きをしながらグウェンダルは一人微笑む。
きっとこの国は良い国に変わっていくだろう。小さき物のために涙を流す優しい王の手によって……。
そして私も………。
―End―