虚像の刻・短編集
□虚像の刻・竜久小学生編
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俺は紫御寺竜久(しおんじりゅうく)。小六だ。
北海道の月形町っつう所に住んでんだけど、超イナカでさ、山とデカイ川に挟まれてて、いつもオヤジが
『修行だ、修行だ!』
とか言って、丸太担がせて山ァ登らせられたり、流れの速い川を泳がせられたりしてる。
いくら命綱つけてるからって、フツー死ぬだろ!
俺、小学生だぞ!
俺、どうやら『精霊剣』ってヤツのケイショウシャみたいなんだ。
なんだかよく分からんけど。
だからシュギョウするんだってさ。
ウチ、剣道場をやってて剣道もさせられてるのに…ヒドくね?
同級生みたいにゲームとかやってみてぇよ。
普段の日ですら修行なのに、夏休みなんてキョーフだよ!
でも夏休みだけは、従兄弟の隆生(りゅうせい)と一緒なのが救いかな!