Short Story

□心の声
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数羽の白い鳥が飛んでいた。

柄にもなく、ボリスは羨ましいと思っていた。


「行きたい所にまっすぐに向かえて、それを阻む者もいない」


山や海などといった壁が影響しない、空。

「鳥になりたい」とすら一瞬考えた。

すぐに自分の突飛過ぎる考えに笑う。

剣を握れないのは困る。

そして困る理由の一番に剣を挙げた自分に困惑し、呆れた。


「もっと大切な事があるだろうに」


脳裏を過るのは、一房だけ白の短い髪。
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