七色の雫
□第二章
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次の日。
朝、リンは自宅で旅支度をしていた。
チコリータは昨日の疲れか、まだ眠っている。
「はぁ…まさかこんな旅に出るとは思ってなかったなぁ…。」
支度を終え、近くの椅子に座り独り言を漏らす。
確かに、昨日の朝はこんなことになるなんて思ってもいなかった。
七色の雫。
世界にふりかかるかもしれない災い。
そしてチコリータとの出会い。
展開が早すぎてなかなかついていけないが、もう決まったことである。
リンも一応頑張ろうと決心してはいた。
「リン!そろそろ行く時間じゃないの?」
しばらくしてから母から声がかかった。
「!もうこんな時間!?博士のとこ行くんだったぁっ!」
慌ててリンはバックを持ちチコリータを起こして玄関へと向かった。
それをクスクス笑いながら見ている母は一言だけこう言った。
「こんな調子で大丈夫なの?気を付けなさいよ。」
「大丈夫だって。…じゃあ行くね、お母さん。いってきます!」
リンとチコリータは元気よく飛び出していった。
冒険に満ちた世界へと――…