七色の雫


□第十七章
1ページ/5ページ

ワカバはテンガン山の奥を進んでいた。

「でもこの山も久しぶりね〜…。」

ワカバは歩きながら、一緒に歩いているエンペルトに話し掛けた。

『そうだね。…懐かしいなぁ。確かギンガ団をおいかけて来たんだっけ?』

思い出し笑いをしながら、ワカバに問掛ける。
このエンペルトはワカバが初めてもらったポケモンであり、数年経った今は最高のパートナーとなっている。

「そうそう♪ホント懐かしいわ〜…数年前のことなのにあの冒険ははっきりと覚えてる。」

ワカバは懐かしむようにゆっくりと言った。

『今も、でしょ?』

「え?」

『今も…実は楽しんでたりするでしょ?』

ワカバはそれを聞いて、クスクス笑いエンペルトの頭を撫でた。

「よくわかってるじゃない♪今も勿論楽しいわ。あの子が現れたお陰でね!」

『でもさ、ワカバはあの子のどこに魅力を感じるの?』

ワカバはしっかりとした瞳で答えた。

「そうね…あの子は私と同じオーラ、ああこれじゃわからないか。私と同じ可能性を秘めた子。きっと…私を越えるわ。」

『そ…そんなに凄いの!?もの凄く強いとか?』

「ううん、そういう意味じゃなくて…。…ポケモンが強ければ最強とは言えないでしょ?全ての面で強い人を最強というの。あの子はそうなる可能性がある。まだ強いとは言えなそうだけどね。」

『…。』

エンペルトはしばらく黙ったが、やがて立ち止まり、ワカバをすっと見据えた。

『ワカバ…。』

「ん?」

『僕の中ではワカバが一番強いからねっ!』

「…。」

ワカバは一瞬驚くも、クスクス笑い、言った。

「ありがと☆やっぱり最高のパートナーね!」





そしてワカバ達は槍の柱へと辿り着いた。
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ