七色の雫
□第十七章
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ワカバはテンガン山の奥を進んでいた。
「でもこの山も久しぶりね〜…。」
ワカバは歩きながら、一緒に歩いているエンペルトに話し掛けた。
『そうだね。…懐かしいなぁ。確かギンガ団をおいかけて来たんだっけ?』
思い出し笑いをしながら、ワカバに問掛ける。
このエンペルトはワカバが初めてもらったポケモンであり、数年経った今は最高のパートナーとなっている。
「そうそう♪ホント懐かしいわ〜…数年前のことなのにあの冒険ははっきりと覚えてる。」
ワカバは懐かしむようにゆっくりと言った。
『今も、でしょ?』
「え?」
『今も…実は楽しんでたりするでしょ?』
ワカバはそれを聞いて、クスクス笑いエンペルトの頭を撫でた。
「よくわかってるじゃない♪今も勿論楽しいわ。あの子が現れたお陰でね!」
『でもさ、ワカバはあの子のどこに魅力を感じるの?』
ワカバはしっかりとした瞳で答えた。
「そうね…あの子は私と同じオーラ、ああこれじゃわからないか。私と同じ可能性を秘めた子。きっと…私を越えるわ。」
『そ…そんなに凄いの!?もの凄く強いとか?』
「ううん、そういう意味じゃなくて…。…ポケモンが強ければ最強とは言えないでしょ?全ての面で強い人を最強というの。あの子はそうなる可能性がある。まだ強いとは言えなそうだけどね。」
『…。』
エンペルトはしばらく黙ったが、やがて立ち止まり、ワカバをすっと見据えた。
『ワカバ…。』
「ん?」
『僕の中ではワカバが一番強いからねっ!』
「…。」
ワカバは一瞬驚くも、クスクス笑い、言った。
「ありがと☆やっぱり最高のパートナーね!」
そしてワカバ達は槍の柱へと辿り着いた。