鍵物語-The guardian of key-

□key-9-
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よく晴れた冬の日。

「やはりいつ飲んでも紅茶は何処よりも美味しいですわ♪」

「お菓子も絶品だね〜♪シェイドもそんな死にそうな顔してないで食べれば?」

「嫌だ。」

ご機嫌な2人を見てシェイドはぐったりと椅子に寄りかかっていた。

「数年振りに可愛い弟が実家へ帰って来たのに本人は何故そんな顔をしているのかわかりませんね♪」

「強制的に連れてきたのは何処のどいつだ…?」




ライトはルナに招かれ、ファントム公爵家の屋敷に来ていた。
力はトゥルース公爵家に次ぐと言われるだけあり、屋敷はとても広く綺麗に造られてある。
ライト達は仲良くルナの部屋でティータイムを楽しんでいた。

「でもシェイドがファントム家の長男だったとはな。そんな身分じゃないとか言ってたのにさ♪」

「こいつの弟だなんて人生最大の汚点だからだ。妹と母さんはまだしも……。」

シェイドは額に手を当て、ストレスの塊のような溜め息を吐いた。

「汚点だなんてまぁ酷い。むしろ誇りに思うべきでしょう?」

笑顔のルナと気持ち悪そうなシェイドの会話を聞いていると、ライトはふと何処かから音が聴こえてくるように感じた。

「だれが思うか!」

音は近付いて来た。

「誰がこんなひねくれた人にしたんでしょうねぇ…悲しいですわ。」

そして――

「お前な…」

「シェイドちゅわーん!!」

シェイドの声を遮るくらいに大きな音を立てて、扉が開き何かが飛び込んで来て
…その直後にズシャッと鈍い音がした。
ライトが急いで壁を見ると、小さな男が壁にのめり込んでいた。

「あ、あれ誰!?」

「最もうざい生き物。」

ライトが思わず聞けば、突き飛ばした手をはらいながらシェイドは不機嫌そうに言い捨てた。
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