七色の雫
□第十四章
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「く、暗!」
「今夜は人がいないみたいだね…ラッキーだけど…。」
リンは内心脅えながらも、コウキ達と共に奥へ進んで行った。
「今のところは何もないけど…。」
「確かに……。」
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!?」
『うるさっ…。』
リンが突然悲鳴をあげた。
真っ直ぐ前を指差して叫ぶ。
「あああぁれっ…!」
「…只のステンドグラスだけど…?」
リンの指差した方向には、綺麗なステンドグラスがあるだけだった。
しかしリンは首を左右に振り必死で言った。
「さ、さささっきステンドグラスが光ったの!小さくピカッて!!」
『光った!?』
リーフはステンドグラスを凝視したが、やはり只のステンドグラスだった。
「目の錯覚じゃないかな?寝惚けて…とか。」
「まさかっ…!そんな筈なっ」
と、リンが言い終わらないうちに、
ピカッバチバチッ!
ドオオオオン!!
突然建物全体が光り、建物の電気が点滅し出した。
そして、雷鳴なのか電撃音なのか、不気味な轟音が鳴り響く。
「いや゛ぁぁぁぁ!!」
リンは半泣き状態で、リーフを抱き上げぎゅむうっと抱き締めた。
『ぐるじ…っ!』
リーフは青い表情で暴れている。
「な…何だ!?ゆけっドダイトス!」
コウキは急いでドダイトスを出した。
『リ゛、リ゛ン゛ぐるじぃ…!』
「…ぎゃ!ぜぜぜ先輩!あそこに動く光がっ!」
リンは更に驚いたのか、リーフを落として建物の天井を指差す。
そこには―――
「あれは…ポケモンだ!」