触れる心

0014
2ページ/2ページ





三人で朝食を済ませた後に呆れた杉野と、それに申し訳なさげな砂名を送り出す。すると直樹は砂名のクローゼットからカッターシャツと学ランのズボンを取り出し、着替えはじめた。


『え、学校行くの?』


さっき行かないって言ってたし……なにより、その歳で。


「るせーよ。」


『いーな、学校。女子制服ないの?』

「あるわけねーだろがっ」


制服なんて着たことないし、少し憧れてたり。でももう着ることなんて一生ないんだと思う。


だよね、と適当に流して笑う。



「……もう一着、男子制服ならあんぞ。」



ニヤリ、と直樹は不敵に笑う。意図を察した私も、今日は楽しくなりそうだ。とワクワクする反面、砂名を傷つけている奴の顔を暴こうとまたもやどす黒い感情が胸を渦巻いた。

















胸を潰し、男としては長い髪を結い、女顔を眼鏡をかけてカモフラージュ。流石に学校に在籍してない生徒のフリは出来ないということで、校内の雰囲気を楽しんで屋上で待機、という作戦に。


部外者といえど、休み時間等の生徒が外に溢れ返る時間は、私が普通に廊下を歩いてもバレなかった。


『こんな雰囲気なんだ、』


同じ年代で笑い合ってじゃれあって。同じ服装をして、集団行動を強いられ校則に縛られる。



生い立ちのせいか、嫌に達観してしまう節のある私は、楽しそうとも、つまらなさそうとも、愚かしいとも思えてしまう私に自嘲する。


『あ、直樹サンだ。』

生徒指導室と教室プレートがついた部屋から直樹が出てきたため、声をかける。


『指導されてたの?』

「…ああ。…懐かしいぜ。

『何それ。』


手に持ってる紙を覗き込むと、反省文。直樹はそれをくしゃりと握り込み、そのまま放り投げた。


「ねぇ、手ェ出して。」


突如の女子生徒からの声かけに、反射的に直樹は手を出すと、落としたよ。と丸めた反省文を手渡される。


「捨てたんだよ。」


「……………………



じっと直樹に見とれる彼女に、バレたかな。と焦るも、当の本人は気にせず会話を続ける。


「あんたにあげる。書いといて。」


そう言い、その場を立ち去る直樹を追い掛けた。


『じゃあね〜。』


ひらりと彼女に手を振って。








『さっきの子、落ちたんじゃない?』


「ガキに興味はねぇな。」


そりゃそーか。なんせ息子と同世代。ムラムラ…はするか知らないけど、興味は持たないよな。流石に。



『で、どう?』


「あ?」


『はぐらかすなよ。いじめの、真偽。』



ガシガシと頭をかいて、こりゃ黒だ。と漏らした。私はただ、そう。と返して屋上に戻る。






砂名に手をだしたこと、後悔させてやるよ





120829 真宮 瑠榎

久々に2ページ。
原作楽しい←好き勝手やりすぎ

てか、直樹名前呼んでくれないから名前変換ないよorz

前へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ