Dear
□長雨の幸せ
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せっかくの週末、祝日であり三連休部活が続くはずだった大好きな凪は金曜から続く豪雨のせいで部活がなくなっちゃって。
凪の運動して、輝いている姿が見られないのはちょっとだけ悲しいけど、それでもこの週末を一緒に過ごせる、という事が何よりも嬉しくて仕方ない。
金曜日の夜から凪は私の家に泊まりに来てて帰るのは月曜日の夜の予定、でも下手したら火曜日の朝までずーっと一緒。
いままでこんなに長い時間過ごす事なんてなくて今からちょっとドキドキしてる。
「雛ぁーっ?来たよー」
家から着替えとか持ってきて、今から凪とのお泊り会が始まる。
私は可愛い色柄に惚れて買ったけど、外で着るのに抵抗のある濃ピンクのワンピースを着て笑顔で凪を迎え入れる。
『早かったね、凪!』
新婚さんみたいに言ってみる。
でもなんとなーく凪は不機嫌そう……どしたのかなぁ?
「あの、雛サン?目のやり場に困っ…//」
『ふへ?』
前屈み。
私よりも背の高い凪から見たら胸が上からチラチラ見える。
『…ぅは!ご、ごめんなさっ…//』
自分でも驚いたけど、凪が予想以上に顔を赤くして顔を隠すのが、可愛いと思えて仕方なかった。
…玄関での会話の後、荷物を置きに私の部屋に行く。
別に一戸建てに一人暮らしだから、私の部屋じゃなくてもいいけどお泊り会だもんね?
「連休中、よろしく!」
荷物を置いて凪は落ち着いた様子に戻った。
『ふふ、凪の匂い。』
凪に抱き着いてぎゅってしてもらうと、幸せな気分に包まれた。
「私も部屋中が雛の匂いで落ち着く。」
笑顔の後、
「ムラムラするけど」と聞こえたのは気のせいにして、たわいもない何時もの会話でダラダラ過ごす。
凪は時々肩を回したりしながらその度に運動したい、って苦笑い。
やっぱりスポーツ好きなんだ、って再確認。
爽やかがーるだもんね、凪は。
カッコイイもんね、運動してる時!
外では風が激しさを増したのか窓がガタガタ揺れていた。
『…なんか怖いね、風強いし……やだなぁ…』
「大丈夫、今日は抱きしめながら寝てあげる。」
凪が後ろから抱きしめてくれる。
あぁ…安心する…
(「てか、寝かせない?」)
………え…?
耳元で囁かれるとぞくぞくしちゃう。
っていうか言われた恐ろしい事にどきっとしつつもぞくぞくする。
「ねぇ雛ぁ、運動したい。」