*
□勘違い
1ページ/1ページ
好きだ、って思ったんだ。
単純に一緒に居るのが楽しくて、声を聞けると嬉しくて。
あまり見せない笑顔とか、緩んだ口元を見れるのがたまらなく嬉しかった。
最初はただの憧れで、日に日に新しい一面とか、好みとかを知ってく上であぁ、もしかしたらこれが…
恋なのかも知れない、なんて思ったりもした。
知ってるんですよ?
その髪型だって自然な感じがするけど、ホントは毎朝ワックスをつけて、癖をつけてからアレンジしてますよね?
前髪についたピンも、一日一日場所が違う。
分かってるんだ。
ずっと見てたから。
けどね、知ってる事、それだけじゃないんだ…
私じゃダメなんだ、っていうのも分かってるんだ…
ほらまた楽しそうに同級生と歩いてる。
あんまり表情に出ないけど、同じペースで歩いてるんだからそうでしょ?
友達にあんたの話を聞いてるだけならそれは恋だよ、って言われた。
違う…
違うんだよ……
確かに好き。
一緒にいると、すごく楽しい。
私の口元だって緩みっぱなし。
胸がドキドキして、顔が熱くなる。
だけどこれは人見知りが激しい私の特性みたいなものだから…
これは恋なんかじゃない。
好きか、嫌いかって言ったら好きです。
でもこの気持ちは私の勘違い。
だって私は先輩の好みに掠るとこ一つもないから。
だから今は近くで笑えるだけのこの関係を守っていたいんです。
……………
先輩の笑顔は私に向けられているものだと信じたいだけ。
久々な更新がただの独りよがりな文でごめんなさい。