*

□それだけ
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好きで、好きで。
ただ見てるだけでドキドキしてて、
いつも、いつも、
目で追ってた。



話したくて、仲良くしたくて、でもドキドキが邪魔して出来なくて。
いつも友達の影に隠れながら、見つめてばかりいた。



「あははっ!……ってばー!」


先輩の声が好きで、もっと笑顔が見たかった。





たった一度、それからもう一回。
会話とは言えないかもしれないけど言葉を交わした程度の関係の癖に。



先輩が好きで、好きで。
どうしようかって先輩を見るたび胸に問い掛けた。


『……辛い、ですよ…』



そう呟くのが精一杯で、何も出来ない俺は意気地無しだけど。



貴女がどんな人の隣にいても、先輩を見つめられるだけ、ただそれだけで。


今は充分です。

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