Starry☆Sky 文

□天才も嫉妬はしますよ
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「待ってよ梓君!」

「……」

今日という日になってから、梓君が口を聞いてくれない。
気まずいまま部活が続き、やっと終わったと思ったら足早に立ち去ろうとする梓君。
私は梓君を追いかけた。

「待って!!」

私は思わず梓君の細い手首を強く掴んだ。

「っ…痛いですよ、先輩。離してください。」

「あ、ご、ごめんね…。でも、離すと梓君逃げちゃうでしょ?だから離さないよ」

「………」

「ごめん。私が何が梓君を傷つけるようなことしちゃったなら謝りたい。けど本当に何をしたか分からないんだ…。だから、それだけでも教えてくれないかな?」

梓君は俯き、顔をそらすとしばらくして口を開いた。

「嫌なんです。先輩は僕のものだと分かっていても、他の男が周りにいるのは…」

「え?」

「部長や宮地先輩ならいいんです。部活の仲間だし、信頼してます。先輩は唯一の女子生徒だから、嫌でもクラスの周りは男子しかいない…。移動教室も周りにいるのは男子。今日の朝、先輩が他の男と笑いながら話してるの見て…僕…」

「梓君…心配してくれてるの?」

「心配はしてません。先輩を信じていますから。ただ、『嫉妬』なんですよ」

梓君は顔を赤くしながら目をそらした。

「梓君でも『嫉妬』とかするんだね?」

私の言葉に梓君は、「む」と私を見てきた。

「なんですかそれ。僕だって『嫉妬』の1つや2つはしますよ!」

「でも『嫉妬』してるってことは、私にそれだけ『執着』してるんだよね?」

梓君は目を丸くしてポカンとした顔をした。




「…えぇ、そうです。『執着』してますよ。僕の中の何よりも1番ね。まぁ、『執着』というより『愛』なんですけど」

「梓君ったら…。…あ、あれ…?ごめんね、ホっとしたら涙が…」

気づいたら涙が頬をつたっていた。


「…先輩、今日は先輩にあたって、傷つけてしまってすいませんでした。」

梓君は強く抱きしめてくれた。
私も強く顔を押し付けた。






「私は梓君が1番だよ」

そういってキスを落とした。











(っ…先輩、不意打ちですよ。でも可愛いです)
(あ、あああ梓君苦しい…!)






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ゲーム中の梓のシリアスボイスにはやられちゃいます。

2009/07/20



 

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