銀魂短編
□君思い、すれ違う
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「ごめん」
ポツリと言った君。ゆるやかな、拒絶。
「うん。知ってた」
もともとダメ元だし、と私は続ける。
彼女のいるコイツに惚れたのが間違いなのに。
そして彼は残酷な言葉を告げる。
「ごめん」
「…これからも、友達でいてくれるかな?」
友、達…
「…うん」
よかった。それじゃ俺、部活あるから。
そう言い残し、彼は帰っていく。
その横顔が、酷く傷ついた様に見えたのは、私の気のせい?
――あなたは、優しさで友達なんて言ったのだろうけど。
そんな優しさが、痛かった。
そこで優しくなんて、してほしくなかったよ。
私からも、ごめん。
好きになってしまって。困らせてしまって。
でも、君の隣は誰よりも暖かかった。
もう、元のように笑えなくなるけど。
それでも、君のことは絶対忘れないと思うんだ。
さようなら
(私の初恋)