□頂き物小説

□君が好きだから(リョ菊)
1ページ/2ページ

「先輩、好きッス」


「う、うん。俺も///」



先輩は
顔を赤らめて
嬉しそうに
そう答えてくれた…。


思わず俺は先輩を抱き締めた。


夢じゃないかと確かめる意味も込めて。



夢じゃない…。



人生で一番嬉しかった。


「嬉しいッス」


「うん、俺も嬉しい」


はにかみながら
そう答えてくれたんだ。



こうして、先輩と俺は
はれて恋人同士になった。





なのに─────……。



























「〜〜…であるからして」


4限目。

俺は退屈な授業を聞きながら窓を見つめていた。


いや…。



正確には窓の外を。



何故って……。









「にゃははっ!もーらいっ!」




イタズラ猫ちゃん…


いや、俺の恋人、

『菊丸 英二』


が、居たからだ。



元気に外を走り回ってる姿に思わず笑みがこぼれる。


思い浮かぶ言葉は既に


(可愛い…)


とか


(本当…猫ッスよね)


など…。



本人が聞いたらにゃんにゃんと反論されるに違いない。



ついでに、一年の教室は二階のグラウンド側なので、様子がよくみえる。


加えて、リョーマはグラウンド側の後ろの席。


これ程グラウンドの観察に良い場所は無いだろう。



あ、屋上もか。



この20分前から
俺は窓の外に釘付けだった。




「ふー…ちかれたっ」



英二先輩は汗を拭いながら走るのを止め、歩く。


すると、英二先輩に近付く一つの影。


「英二、大丈夫?」


「ん!平気平気ぃ!!サンキュ、不二」


その影は、同じ学年、同じ部活、隣の席の

『不二 周助』


英二先輩に好意を寄せている内の一人。



「ねーね、不二ぃー。」


「!!!」



英二先輩は不二先輩にベタベタくっつく。


(にゃろう…、英二先輩に触りやがって…っっ)



最初に英二から不二に触ったのは怒らないらしい。



でも、見ているうちに、モヤモヤとしたものが心に現れる。



英二先輩は、俺に向けたこと無いような笑顔で、不二先輩に


笑いかけていた──…。
次へ

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ