□頂き物小説
□君が好きだから(リョ菊)
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「先輩、好きッス」
「う、うん。俺も///」
先輩は
顔を赤らめて
嬉しそうに
そう答えてくれた…。
思わず俺は先輩を抱き締めた。
夢じゃないかと確かめる意味も込めて。
夢じゃない…。
人生で一番嬉しかった。
「嬉しいッス」
「うん、俺も嬉しい」
はにかみながら
そう答えてくれたんだ。
こうして、先輩と俺は
はれて恋人同士になった。
なのに─────……。
「〜〜…であるからして」
4限目。
俺は退屈な授業を聞きながら窓を見つめていた。
いや…。
正確には窓の外を。
何故って……。
「にゃははっ!もーらいっ!」
イタズラ猫ちゃん…
いや、俺の恋人、
『菊丸 英二』
が、居たからだ。
元気に外を走り回ってる姿に思わず笑みがこぼれる。
思い浮かぶ言葉は既に
(可愛い…)
とか
(本当…猫ッスよね)
など…。
本人が聞いたらにゃんにゃんと反論されるに違いない。
ついでに、一年の教室は二階のグラウンド側なので、様子がよくみえる。
加えて、リョーマはグラウンド側の後ろの席。
これ程グラウンドの観察に良い場所は無いだろう。
あ、屋上もか。
この20分前から
俺は窓の外に釘付けだった。
「ふー…ちかれたっ」
英二先輩は汗を拭いながら走るのを止め、歩く。
すると、英二先輩に近付く一つの影。
「英二、大丈夫?」
「ん!平気平気ぃ!!サンキュ、不二」
その影は、同じ学年、同じ部活、隣の席の
『不二 周助』
英二先輩に好意を寄せている内の一人。
「ねーね、不二ぃー。」
「!!!」
英二先輩は不二先輩にベタベタくっつく。
(にゃろう…、英二先輩に触りやがって…っっ)
最初に英二から不二に触ったのは怒らないらしい。
でも、見ているうちに、モヤモヤとしたものが心に現れる。
英二先輩は、俺に向けたこと無いような笑顔で、不二先輩に
笑いかけていた──…。