□頂き物小説

□君と僕(不二菊)
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「……そう」

僕はそう言って前を向いた。次の授業の先生がやって来て、日直のやつが号令をかけ、いつものように授業が始まる。

……英二。

君は人気者だから、僕には眩しすぎるよ。

英二が他の人と話していると…他の人と笑い合ってるのを見ると、とてつもない怒りや悲しみが僕を襲うんだ。

「英二は僕のものだ」と言ってしまいたい。だけど僕たちの関係は秘密だから言えない。

あぁ、僕はどうしたらいいのだろう?

なんだかんだ考えているうちに僕は机の上に突っ伏して眠ってしまった。

その時、

ゴンッ!!ゴンッ!!

「!!?」

頭に急に痛みを感じて顔をあげると、先生が分厚い辞書を持って目の前…というか僕と英二の机の間に立っていた。

「不二っ!菊丸っ!」

………英二?

英二の方を見ると僕と同じように急な痛みに驚いたように頭を手でさすっていた。

「二人揃って居眠りとはけしからん!」

そう先生が言ったとき、クラスからはどっと笑いが起こった。

「おい菊丸〜寝てんなよーっ!」

「不二〜お前まで何やってんだよ〜!あははっ!」

「テニス部、しっかりしろーっ!!」

クラス中から言われ放題言われ、僕と英二は顔を見合わせた。

英二はいつもみたいに、にぱっと笑い、

「にゃははっ!俺たちなんか間抜けだよな〜」

と僕に言った。

そんな顔で笑わないで、話しかけないで。でも笑って?話して?

「……うん、そうだね」

笑って欲しいけど、欲しくない。その笑顔は僕だけのものじゃないって知ってるから。

………どうしよう。

これ以上英二を好きになってしまったら、嫉妬で英二を傷つけてしまいそう…。




















笑って、笑って?

でも笑わないで。


















わがままだってわかってるけど、

どうか…






















僕にだけの笑顔を頂戴?
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