小説
□ヴァージンロード(リョ菊)
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「んん〜〜ッ?!聞き捨てならにゃいな!!この英二先輩を疎かにするほどの事を考えてたのかにゃ?リョーマ君?」
菊丸は反撃のチャンスを掴んだっ!・・とばかりに、リョーマに詰め寄った。
リョーマはチラリと菊丸の顔を見ると
「ほら、ビルの谷間から俺達の方に光が差し込んできてるっしょ?」
リョーマの言葉に自分の前方に目を移すと、確かに自分達の方に向かって一直線に光が向かってきていた。
「今、夕暮だから光が紅くなってヴァージンロードを先輩と歩いてるみたいだな・・って、思ってね。」
「なッ///」
菊丸は反撃のチャンスどころか、逆にまたまた言葉に詰まる。
「いつか一緒に本当のヴァージンロード歩いてくれますか?先輩」
「そ…そんなこと///」
「駄目ッスか?」
「ゔっ////」
「ダメ・・・じゃない」
真っ赤な顔をしながら下を向いていた菊丸から、消え入りそうな声がリョーマに届いた。
リョーマは優しげに微笑むと
「じゃ、今日は仮想ヴァージンロードを歩いて帰りましょうか。」
菊丸の頬にそっと唇を寄せて囁いた。
そんなに遠い未来ではない情景に思いを馳せて・・・。