花 片
□拍手過去作品
2ページ/12ページ
初めて重ね合わせたのは何時だった?
優しく重ねられる口唇が心地よくて、ねだるように強く押し当てた───
形の良い口唇が少し笑って、更に深いくちづけに変わる。
舌を絡め、激しく奪い合うかのように…
「───今日はまた情熱的だね」
「…煩い」
口唇が離れた後、耳元で甘く囁かれる。
「…私以外の誰かを思い浮かべた訳じゃないだろうね?」
抱く腕に力が篭る。
「この馬鹿っ」
抱き締められたまま胸を叩く。
思い浮かべたのは、初めてくちづけたあの日のお前…
なんて、絶対言わない。
(09/02/02)